本節では,プロビット回帰係数を確率に変換する方法について述べる。 二値変数と順序変数のプロビット回帰の扱いについては Agresti(1996, 2002)を参照のこと。
ある二値従属変数について,プロビット回帰モデルはxの下でのuの確率を 次式で表す。
P(u=1 | x) = F(a + b * x) = F(-t + b * x)
Fは標準正規分布関数,aはプロビット回帰の切片,bはプロビット回帰の傾き, tはプロビット閾値 t=-aであり,P(u=0 | x)=1-P(u=1 | x)である。
以下の出力は,二値変数uを従属変数,ageを独立変数とする プロビット回帰の結果である。
Estimates S.E. Est./S.E. u ON age 0.055 0.001 43.075 Thresholds u$1 3.581 0.062 57.866
age=62のときのu=1の確率は以下のように計算できる。
P(u=1 | x=62) = F(-3.581 + 0.055 * 62) = F(-0.171)
z表を用いると,値-0.171は確率0.43に相当する。 つまり,age 62におけるu=1の確率は0.43である。
従属変数が3カテゴリ以上の順序変数である場合, プロビット回帰モデルはxの下でのuの確率を次のように表現する。
P(u=0 | x) = F(t1 - b * x) P(u=1 | x) = F(t2 - b * x) - F(t1 - b * x) P(u=2 | x) = F(-t2 - b * x)